コーポレート・ガバナンスとフィンテックの制度設計の新展開
スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コード、会社法改正ならびに買収防衛策の現代的変容などに伴う新たなガバナンスとプラクティスの課題と展望

藤川信夫 著

定価 9,350円(税込)本体8,500円
A5判並製 783頁
ISBN 978-4-8309-5102-2(4-8309-5102-8)
2020年10月15日発行
分類:法律 > 商法 > 企業法
在庫あり
著者略歴
[著者]
藤川 信夫(フジカワ ノブオ)

1976年3月 京都大学法学部卒業
1976年4月―2004年9月日本開発銀行(現在、日本政策投資銀行)入行主として融資・審査業務、財務・資金、調査・研究等に従事
2004年9月 日本政策投資銀行 退職
2004年10月 日本大学法学部 教授
2007年10月 日本大学大学院法学研究科 教授(兼務)
2018年4月より日本大学法学部特任教授(現在に至る)
(学位)
2007年 博士(法学・早稲田大学)
(専門)
国際取引法、金融法、国際経営法学、コーポレート・ガバナンス論、ビジネスロー文献購読、会社法、ビジネス法務
(海外研究歴)
ペンシルバニア大学経営大学院ウォートン・スクールA M P(Advanced Management Program)修了、ジョージ・ワシントン大学ロースクール 客員研究員、ワシントン大学ロースクール 客員研究員
(出向歴)
㈱日本格付研究所(格付機関)出向、格付審査部・格付担当調査役、産業基盤整備基金(現在、中小企業基盤整備機構)出向、業務第一部保証課長 兼 出資課長 兼 新規事業課長(ベンチャー企業向)、株式会社けいはんな(関西学研都市中核施設)経理第一リーダー(経理部長)公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、中小企業診断士(経済産業省登録)
(主要著書・論文)
1 著書:単著(8編。5編を記す。)
『英国Senior Management Regime(SMR)、上級管理者機能(SMFs)とコーポレート・ガバナンス・コード―攻めのガバナンス、国際私法の交錯領域―』文眞堂(2016年)全449頁、2016年10月日本リスクマネジメント学会学会賞・亀井利明賞受賞
『国際経営法の新展開―会社法改正ならびに金融法とコーポレート・ガバナンス、スチュワードシップ・コードの接点―』文眞堂(2014年)全384頁、2015年9月日本リスクマネジメント学会優秀著作賞受賞
『国際取引法―理論と実務―』尚学社(2013年)全464頁
『国際経営法学―コーポレート・ガバナンス、米国企業改革法、内部統制、企業防衛策ならびに金融コングロマリット・金融商品取引法など国際的企業経営をめぐる法制度の現代的課題と実践―』信山社(2007年)全828頁
『コーポレート・ガバナンスの理論と実務―商法改正とその対応―』信山社(2004年)全1012頁(学位論文を兼ねる)。
2 著書:共編著(20編。5編を記す。担当分は全て単著)
「域外適用の現代的考察―恣意性ならびに効果主義理論の整合性―」稲葉陽二=藤川信夫=岡西賢治編『企業コンプライアンス』尚学社(2013年)290頁中担当分50頁
「金融危機後の国際金融法制の展望と新たな統合的リスク管理ならびにガバナンス体制構築に向けて」奥島孝康先生古希記念論文集第一巻《下篇》『現代企業法学の理論と動態』成文堂(2011年)1282頁中担当分67頁
「コンプライアンスとコーポレート・ガバナンス―会社法、金融商品取引法、独占禁止法ならびに金融監督と金融機関の関係などコンプライアンス・内部統制をめぐる法の交錯と実践―」奥島孝康編『企業の統治と社会的責任』金融財政事情研究会(2007年)636頁中担当分101頁
日本政策投資銀行企業創出・再生研究グループ=監査法人トーマツ編『ベンチャービジネスのための資金調達実務ガイドブック』中央経済社(2004年)392頁中担当分121頁
末永敏和=長谷川俊明=稲葉陽二編『委員会等設置会社・重要財産委員会導入の実務』中央経済社(2003年)389頁中担当分277頁
3 主要論文(92編。5編を記す。何れも単著)
「英国スチュワードシップ・コードならびにコーポレートガバナンス・コード改訂、米国The Accountable Capitalism Act にみる企業価値向上義務―株主主権の変容、買収防衛策の司法判断基準の接点―」日本法学『日本大学法学部創設130周年記念号』第85巻第2号(2019年9月)209―287頁
「FinTech 関連法制の課題と展望―国際私法、国際金融規制の交錯―」日本法学第83巻第4号(2018年3月)97―220頁
「金融商品取引法における「相当な注意」の考察―シニアコミュニケーション事件等の有価証券報告書の虚偽記載判例、ならびにコーポレート・ガバナンス・コードの実践、英国法における不実開示責任と市場の詐欺理論などを踏まえて―」商学集志『日本大学商学部根田正樹教授定年退職記念特集』第86巻第4号(2017年3月)149―171頁
「忠実義務と非業務執行取締役の考察―米国の忠実義務の規範化概念と英国会社法の一般的義務、英国スチュワードシップ・コードとApproved Persons 制度等の接点―」日本法学『山川一陽教授古希記念』第80巻3号(2015年1月)439―492頁
「銀行取締役の追加融資責任に関する考察―東和銀行損害賠償請求等訴訟事件と関連事案の検討ならびに米国の比較法的研究を通じて―」法学紀要第54号(2013年3月)55―161頁

(データは本書刊行時のものです)

主要目次
  • 第一編 コーポレート・ガバナンスと企業価値向上
  •  Part I スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの改訂と企業価値向上
  •   第一部 コーポレートガバナンス・コードの改訂とプラクティスにおける課題と展望―株主の対話とエンゲージメント、情報開示、資本コストなどを通じた企業価値向上に向けて―
  •   第二部 スチュワードシップ・コードならびにコーポレートガバナンス・コード改訂後のグローバル企業のガバナンス改革―新たなハードローミックスならびにプラクティス、多様なステークホルダー重視と資本コスト、英国のダブルコード改訂を踏まえて―
  •   第三部 英国スチュワードシップ・コードならびにコーポレートガバナンス・コード改訂、米国The Accountable Capitalism Actにみる企業価値向上義務―株主主権の変容、買収防衛策の司法判断基準の接点―
  •   第四部 米国における敵対的買収防衛策の再考察、ユノカル基準などを通じた新たなコーポレート・ガバナンス形成と株主主権
  •  Part II 英国のガバナンス改革とプラクティスならびにリスクマネジメントの展望、マネーロンダリング防止の結合
  •   第一部 Kay Reviewとショートターミズムならびに英国型ガバナンス改革の転換
  •   第二部 英国企業法制における新たな登記制度PSC Regime(people with significant control)にかかる考察
  • 第二編 買収防衛策の現代的変容、金融資本市場規律とコーポレート・ガバナンス
  •  Part III 買収防衛策の現代的変容とガバナンスならびにプラクティス―支配株主の信認義務とレブロン基準、親子会社に関する規律ならびに公正性担保措置などを中心に―
  •   第一部 支配株主の信認義務とレブロン基準の拡張的考察、親子会社に関する規律、公正性担保措置とガイドラインの重要性
  •   第二部 支配株主と買収防衛策であるレブロン基準の現代的変容
  •   第三部 支配株主取引への適用基準に関する米国判例の変化―支配株主が取引の一方に立つ取引の場合、完全公正基準とレブロン義務、Majority-of-the-Minority Votingならびに特別委員会など公正性担保措置の実効性―
  •   第四部 レブロン基準と完全公正基準の適用にかかるプラクティス―公正なM&A指針―
  •   第五部 M&A指針と公正性担保措置と支配株主をめぐる論点と課題
  •  Part IV スチュワードシップ・コードの再改訂案等ガバナンス施策の動向と東証制度改革など
  •   第一部 ガバナンス施策の動向―スチュワードシップ・コードの再改訂案、東証制度改革など―
  •   第二部 ソフトローミックスと金融資本市場規律の在り方
  • 第三編 金融機関におけるコーポレート・ガバナンスとプラクティス
  •  Part V 金融機関にみる攻めのガバナンスのプラクティス
  •   第一部 コーポレート・ガバナンス・コードと攻めのガバナンスの実際―金融機関のガバナンス改革を中心に―
  •   第二部 金融機関における新たな3つの防衛線とリスクガバナンスの実践―内部統制および内部監査ならびにFinTech関連法制を踏まえた組織法的考察―
  • 第四編 FinTechにおけるコーポレート・ガバナンスならびにリスクマネジメント
  •  Part VI FinTechの制度設計、コーポレート・ガバナンスならびにプラクティス
  •   第一部 FinTech関連法制の課題と展望―国際私法、国際金融規制の交錯―
  •   第二部 FinTechのプラクティス、AIの活用
  •   第三部 仮想通貨の規制にかかる動向
  •  Part VII FinTechにおけるリスクマネジメント
  •   第一部 FinTech関連制度における制度設計とリスクマネジメントの考察
  • 第五編 ESG投資とガバナンス改革
  •  Part VIII ESGインテグレーションとエンゲージメント・対話
  •   第一部 ESGインテグレーションとシェアホルダー・エンゲージメントならびにリスクマネジメントとガバナンス改革の深化―リスク評価とリスク・コミュニケーション、受託者責任と善管注意義務ならびにスチュワードシップ・コード改訂に向けて―
  •  Part IX コーポレート・ガバナンス改革の推進に向けて最新の動向―スチュワードシップ・コード再改訂、コーポレートガバナンス・コードの再改訂の動き、ハイブリッド型バーチャル株主総会、デジタルガバナンス・コードなど―
  • 第六編 株主至上主義ならびに取締役会の戦略的機能・リーダーシップ強化モデルについて
  •  Part X 米国におけるステークホルダー重視と株主至上主義の修正局面の議論、コロナウイルス感染拡大ならびにDXガバナンス問題との交錯
  •  Part XI 内部統制組織の構築・検討と具体的制度設計―取締役会の戦略的機能・リーダーシップ強化モデルを念頭に―