著者によれば、労働、土地、貨幣を「擬制商品である」と指摘し、これら3要素が資本主義社会のドライヴィング・フォースである市場自由主義の専横に抵抗し、そのユートピア性を浮き彫りにしたことがポラニーの経済学に対する一大貢献である。著者は、ポラニーが残した課題を、「二つの帝国主義」と国際金本位制の歴史的解明によって果たし、ポラニー論の決定版を世に贈る。