自由貿易論は,保護主義の挑戦に抗して経済政策への最も健全な指針として生きつづけている。本書は歴史的視点に立ち,混み入った自由貿易対保護主義という論争史を鮮明に論じる。類書のない自由貿易思想の詳細な研究書である。世界貿易機関(WTO/GATT)の支持,最近の米国保護主義的戦略に対応するためにも本書の教訓は尽きるところがない。