開発論は,新古典学派の系統に属するものからマルクス主義の系統に属するものまで多岐にわたる。本書はそのような類型化にしたがえば,ちょうど中間の位置になる。著者の研究のライフワークともいえる構造主義経済学は,ケインズ経済学の流れを汲んでいて,読者は本書の随所にそのことを見出せるであろう。学際色が濃いのも本書の特色のひとつである。