本書では,コーポレート・ガバナンスは株式会社の権力を巡る問題であると捉える。会社権力を統制しようとする場合,株主の立場から見て経済的に効率的に権力を統制しようとする立場と,さまざまな利害関係者を含んだ社会的な視点から統制しようとする立場がある。著者は両者を詳細に比較検討し,利害関係者理論の立場からの議論を展開している。