本書は理路整然とした正史ではない。本書の意図は,システム生成期に活躍した生産マネジャーの生の声を集録し,進化の過程の「紆余曲折」,「試行錯誤」,「怪我の功名」,「瓢箪から駒」,「意見の不一致」,等を示し,ダイナミックな渾沌と多様性の理解,と究極トヨタ自動車の真のコア・コンピタンス(独自能力)の把握にある。原点を開示した貴重な書。