現代社会は先行する諸社会とは異なり,制御中心をもたない機能的に分化した社会である。それは作動面で閉じた諸々の機能システム=オートポィエティック・システムから構成されており,経済も法・政治・学問・教育・宗教・家族等々とならぶ現代社会の機能的部分システムのひとつにほかならない。このような理解から出発する本書は,価格と貨幣,稀少性,資本と労働,市場と組織,といった経済学でおなじみのテーマを扱いながら,独特のシステム論的分析によって,われわれ現代社会-経済の観察者に新鮮な知的衝撃を与えてくれる。
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