コルプス・ミスティクムとは何か
教会・国家・株式会社を貫く団体の概念

中條秀治 著

定価 4,620円(税込)本体4,200円
A5判上製 330頁
ISBN 978-4-8309-5086-5(4-8309-5086-2)
2020年4月25日発行
在庫あり

株式会社の起源はコルプス・ミスティクムである。人類史に埋め込まれた「死ぬことのない身体」という観念が、現代コーポレート・ガバナンス論の前提である「株式会社は株主のもの」という宿痾の社会常識を打ち破る。 コルプス・ミスティクムとは何か。中世キリスト教に起源を持つこの観念は、教会・国家・株式会社といった「死ぬことのない」永続性を持つ団体の成立論理である。株式会社が「株主のもの」というのは一つのイデオロギーにすぎない。「団体」としての株式会社は、「擬制的身体」と「擬制的人格」を持って自立的に運動する社会制度体であり、「誰のものでもない」存在である。

主要目次
  • 第1章 コルプス・ミスティクムとは何か
  • 第2章 コルプス・ミスティクムとしての教会・国家そして株式会社
  • 第3章 団体の概念―集団・団体・組織という交錯した概念を解きほぐす―
  • 第4章 団体としての株式会社
  • 第5章 カンパニー(集団)の会社観とコーポレーション(団体)の会社観―株式会社発生史の再検討―
  • 第6章 西洋におけるコルプス・ミスティクムと日本における「家」―「家の論理」と日本的経営―
  • 第7章 21世紀の株式会社をめぐる諸問題―グローバル社会におけるコルプス・ミスティクムの再生―