日本の財政債務の拡大には「国家財政破綻」さえ取りざたされるほど深刻さがある。少子高齢社会で増大する財政需要と低い伸びの財源のはざまで、受益と負担の説明責任が問われている。最近の事業仕分けや社会保障と税の一体改革、公民連携の拡大が模索されているのもこうした文脈からである。本書の主張の背景には,以上の問題意識がある。