グローバル化は,「国境を越える医療」の必要性を増大させた。EUでは人の自由移動政策と相俟って,医療専門職が国境を越え医療サービスを提供し,欧州市民が患者として他の加盟国で医療サービスを受ける場合も少なくない。グローバル化を歴史的に先取りするEU域内医療の現実とその課題は,世界と日本の医療の将来を考える鍵となろう。