2004年,25ヵ国となったEUの数は更に増えていく。EU統合は,統合の深化と拡大につれてその研究も各分野で細部に亘り専門的内容を要求され,それと共に全体像の把握が難しくなっている。本書はこのような現実に挑戦した野心作である。経済統合全体を捉えながら,統合の各分野,経済政策の細部までを統一的に捉えた文字通りの大著である。原書:Jacques Pelkmans, European Integration: Methods and Economic Analysis, Second Edition, Financial Times/ Prentice Hall, pp.419+xxiii, 2001.第1部基礎でEU経済統合を歴史的,分析的に解説,第2部域内市場はFTA,関税同盟,単一市場を製品・サービス・ネットワーク・資本・人の自由移動に分けて詳細に分析。第3部では4つの共通政策を詳しく分析し,第4部は,EU地域政策,EMS(欧州通貨制度)の発展,通貨統合とユーロ,中・東欧,地中海地域等における汎ヨーロッパ統合を分析。とくに第18章は,本年6月25カ国となったEUを中・東欧への拡大を中心に本年2月時点で分析している(日本語版のみ)。